製作中(内容はかなりいい加減です)
テーマ 里見八犬伝と足尾
里見八犬伝の化け猫と犬士の戦いの場所のモデルは足尾の庚申山です。
庚申山の御山掛けのコースがそのままドラマの舞台になっています。
化け猫軍団がここに住み着いて勢力を拡大していました。
剣士に退治されてから他の動物たちが安心してすめるようになりました。
それで、今はたくさんの動物たちがこの地域に住んでします。
ほんとかな?。
庚申山の化け猫はいまも 生きている
銅山の坑内に逃げ込み空洞になった広い空間に閉じ込められた
そこで、時々岩棚を駆け巡っている
その、響きが地震となって頻繁に感じられるのだ
地下100mに設置された地震計は、
今もそれを敏感にとらえている
伏姫と犬士
足尾の七不思議のひとつに飼い猫に蚤がつかないという事実がある
これは、日光東照宮の眠り猫のご利益という説と
庚申山の化け猫の血が足尾の猫には流れていて
その、妖気で蚤がちかづかないのだといわれている
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庚申山にすむ魔物 脚 色 星野俊夫 下野の国、真壁郡(まかべごおり)に網苧(あしお、足尾)という所がある。 冬が駆け足でやってくる山里の晩秋のできごとだった。 日はまだ高いが谷はすでに暗く、道ばたには、ススキの白い穂が冷たい風にざわめき山奥らしいさびしさが漂っていた。 渡良瀬川が小滝川と合流する、切幹の里のはずれに柳屋(親父のなは鵙平(もずへい))というひなびた一軒の茶店があった。 その店先の縁台に腰をおろし、茶を飲みながら店のお爺と話をしているのは、里見の八犬士の中の一人、犬飼現八信道(いぬかひげんぱちのぶみち)だった。 犬飼は、荒芽山の戦いで別れわかれになった同士をさがすために、千葉の行徳や市川へ行ったり、遠く京都に住んだりしていた、そして旅を重ね、早やくも二年の歳月が過ぎ去っていた。 今は、奥州路をたどり犬士をさがして、この網苧(あしを、足尾)までたどりついたのだった。 茶店の主人の話しによると、これから先五里ほど、庚申山のふもとを越へるまでは人家も少なく、山賊などが出て、真昼でも武器を持ち歩かないとあぶない、だから、鉄砲を持った道案内人に行き先まで送ってもらうか、弓矢を買って持っていけといい、どちらも三百文で、同じ直段だと言い張るのだ。 犬飼はこれまで、美濃、信濃の山路を幾度となく歩いているが、案内も雇はず、弓矢も持たことはない。 庚申山は、登り下りの険しい峠を幾つも越えたところで、山中第一の石門へ達する。これを胎内竇(たいないくゞり)と呼んでいる。これより奥には奥の院があるけれども、魔物が住んでいるから、人はめったに近づかないのだ。 何百年か年を経た山猫だということであるが、その外にもいろいろの魔物が住んでいるのだ。 店のお爺は話なし続ける、この山のふもとに赤岩という村があり、そこに赤岩一角武遠(あかいはいつかくたけとほ)といふ武士が住み、このあたりに名高い武芸の達人であった。庚申山の奥の院へ、一度詣でてみたいものだと思い、弟子達の強いもの幾人かをつれて山へ登って行った。 山道は険しく、胎内竇(たいないくゞり)をくぐるとさすがに弟子達は歩が進まなくなった。その辺から道の左右には大きな岩が立ち並び、道はその岩の上へ高くのぼり、また深く下の沢へおりるのだった。 高い崖の中腹に長さ七尺あまりの石橋が架かっていて、谷底からは霧が舞いあがってくる。ここまで来て弟子達は全く進めなくなった。 一角は、そこに弟子達を待たせて、自分一人、弓杖(ゆみづゑ)をつきながら石橋を渡り、向う側へ着いたと思うと、もう岩の陰にその姿は見えなくなっていった。 「これはきっと何か事がおきたのだ」と、弟子達は急いでふもとの村に駈けもどっていった。 「明日は人数を倍にして出て来よう」といつて、一隊は引き返し、胎内竇を出ようとすると、うしろから大声をあげて隊の人を呼びとめるものがいた。 振り返って見ると紛れもなくそこに一角が立っていたのだった。 みな一角を取り囲み無事を喜び、お祝いを述べると、一角は笑って、「石橋を渡り奥の院へ詣でてさて帰ろうとすると、あたりは一面の大石で、霧が舞いあがって来るものだから、道に迷い方角が分らなくなり、やむを得ず前夜はそこで野宿をしたのだ」と言うのだった。 「そして、今日はやつとみちを見つけて、ここまで降りて来た」とい言いながら、赤岩村へと帰って行ったのだった。 それまでは無事に済んだが、奥の院の探検をしてからの一角は何かにつかれたように変わっていったのだった。 一角は、妻を三度変えた、第一の妻は角太郎(かくたろう)という子を生んで死んだ。二度目の妻は探検の時にいて、これはその後、牙二郎(がじろう)という子を生み、荒っぽい一角に堪へられずに死んだ。 角太郎(かくたろう)は成人してやはり一角ににて、武芸にすぐれ学間にもすぐれていた。 ところが養い親の儀清(のりきよ)が死んだあとで、一角夫婦は儀清(のりきよ)の財産を奪おうと考へ、角太郎にわが家に来て住むようにいいつけたので、角太郎夫婦が赤岩の父の家へ来て住むと、間もなく一角は雛衣を離縁させ、そのあとで角太郎を勘当した。 角太郎は評判の親孝行であるから、今は財産はすつかり取られてしまい、妻の雛衣とは別れるし、ずっと田舎の返璧(たまがへし)と言うところに庵(いをり)を結び、僧侶のような行をして暮らしているのだった。 と、老人が長い物語を終った頃には、日も傾き夕風が吹いていたのだった。
別段いそぐ旅でもないし、暮れれば、暮れたところで夜を明かす考へで、茶店を立ち、ぶらりと山道を歩いていった。
夕暮れから出ていた月が西に沈んで、あたりはすっかり闇になった。 ふと東の方を見ると、何か蛍火のようなものが三つ四つ光って、ゆれながらこちらへ近づいて来るのだった。
犬飼は出来るだけ近づけておいて、弓を射た。 ドドッと音がし、馬上の魔物がころげ落ちた、矢が左の目を深く射抜いていた。 その辺一面に立っている岩を踏み越え飛び渡って何町か進むと、そこに十二三間ばかりの細い石橋がかかっていた。 「人か魔物か。何ものだ、名乗れ」 魔物はそれから一角の姿に化けて山を下り、赤岩の一角の家に住みついているのだった。 亡魂は、一角が生前使っていた証拠の短刀を持っていた、またそこには一角の骸骨も落ちていた。 小さな庵であるから、一角の息子、角太郎礼儀(かくたろうまさのり)が坐って数珠を持ち、何やら行をしている様子が表からもよく見えた。 そこへ若い女(「礼」の字の刻まれた玉を胎の中に飲み込でいる女)が訪ねて来た。 女は今、死ぬ覚悟をしているのだ、その最後の別れに来たのであるが、角太郎はまだ親への義理を守って、今、子まで身ごもっている自分に逢ってくれないのであるか、これが最期だ。 角太郎の別れた若妻、雛衣だった。 「客人、おはいり下さい。お待たせ申した」 犬村の母は角太郎を生んだ時、加賀の白山権現(はくさんごんげん)の庭の小石を拾って、その子の護り袋に入れて置けば病気にならないと聞いて、旅商人に頼み、ついでの時に小石を拾って来て貰うと、それは「礼」の字の刻まれた玉であった。 雛衣を妻に貰った後のある日、雛衣が腹痛を起したので、その玉を水に浸し水を飲まそうとすると、まま母が玉を見ようとして茶碗を奪い取る拍子に、雛衣は玉を飲み下してしまった。 犬村は、そうした話をこまかにした。 そこへ、まま母の船虫が訪ねて来た。 かごには雛衣をも乗せている、船虫は夫の一角が近頃目を病んでいること、そのために今日、日の出の社へ詣でたこと、その途中で雛衣が犬村川へ飛び込んで死のうとするのを引き止めたことなどを語って、「これからは雛衣の離縁を許し前のように夫婦となって暮らすがよい」というのであった。 角太郎は、いつもの母に似合はないそぶりを不審に思った。 角太郎は、いろいろと自分の家のことを語った。 それらの話を聞いていた犬飼は「私にも少し考へたことがある。しばらく私にまかせていて貰いたい」といい、犬村にいったん別れを告げて出ていったのだった。 |
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大角の山猫退治 庚申山の魔物がその姿を変へて赤岩一角となった後の一角の道場には、やはりそれにふさわしい門弟たちが集まって来ていた。 中にも面白いのは、籠山逸東太縁連(こみやまいつとうだよりつら)が門弟となっていたことだ。 その後、武芸も上達し、越後の長尾判官景春(ながをはんがんかげはる)に仕へていた。 主人の景春(かげはる)が城普請をしたところ、地中から木天蓼(わたゝび)の木でさやをこしらへた珍らしい短刀が現れたので、村雨丸(むらさめまる)の銘刀ではないか、それを一角に見て貰ひたいといふので、縁連(よりつら)が使いになって来たのである。 縁連がその話をしながら刀の箱を前へ出すと、不思議なことに、白い煙のようなものが立ち上って消え、箱を開いた時には、箱の中に刀の姿が見えなかつた。 縁連があわてて、「このままでは主家へも帰れない」などと言うので、一角はいろいろと主人をなだめる工夫を教えたりして慰めていた。 その時、表へ犬飼現八が尋ねて来た。 一角の門弟たちは、武者修業をしているといふ犬飼を、思いきりたたき伏せてやろうと考へた。 縁連や次男の牙二郎が見かねて立ち向おうとすると、一角は押しとどめ、「いや、あっぱれなお腕前でござる。一角、もしも病中でなければ、お相手仕るところを、まことに残念である」などといって犬飼を褒めながら、苦い顔をしていた。 犬飼はその夜一角の家にとめられた。夜更けてから、一角や門弟たちは、犬飼を打ち取ろうというのだ。 刀を抜いて待っていた犬飼は、「やつ」と声をかけて、見る間に二人を斬りおろした。 門弟たちが遠回りをして表へ出、あくまでも犬飼を追って行くと、犬飼は犬村の家へ入ったのを見てしめたと思った。 「籠山氏、まず静まり給へ。盗人の詮議は一角が代ていたそう。他に用事もござれば、籠山氏はひとまず赤岩へ引き上げられてお待ち下され」という。 角太郎と雛衣は、うやうやしく門へ出迎える。 角太郎も、雛衣も、それには答への言葉がなかつた。 角太郎が答えをためらっていると、雛衣の心はもう一つ苦しかった。 角太郎はハツトして立ち上った。 「犬村氏。今まことの話を申そうと思う。この無礼を忘れて、しばらく聞いて戴きたい。倒れたこの父上殿の姿は、まことの父上殿ではなく、じつは庚申山に何百年の年経た山猫でござるぞ」 そういって角太郎を驚かせた。 角太郎は夢を見ていた気持ちがした。そして、さすがに父の姿をした怪物に刃をあてることが出来なかった。 牙二郎が、一角の上にのしかかって倒れると、あたりは急に地響きがして、化け猫の一角の姿は、何ものともしれぬ怪物の姿に変わっていったのだった。 角太郎は、腰のあたり目がけて、さっときりつけた。 牙二郎もいつの間にか、山猫の姿に変っていた。 この騒ぎの間に船虫はにげていた。 化け猫の一角の門弟の中には、ほかの獣などの化けていたものもあつたが、山猫の殺されたあとでは勢力がなくなり、今まで山猫に押さえられていた山の神などに殺された。 庚申山の怪物は、犬飼、犬村の働きによって、最早、残らず姿を消したのだった。 今も、庚申山には、第一の石門や胎内竇(たいないくゞり)、石橋、石窟(いわや)が幾つも残っていて、その周りには、奇岩奇石が霧に包まれ苔むしてたたずんでいる、その後もこの石窟で死んで行った幾つかの亡骸があったと噂にきいている。 |